桜と星の約束 - Sakura to Hoshi no Yakusoku
Fantasy
all age range
1000 to 2000 words
Japanese
遥か昔、まだ世界が始まったばかりの頃、大地には精霊たちが住み、空には星々が輝いていた。
そんな世界に、一人の少女が誕生した。その名はシュメール。古代文明を司る女神であり、創造の力を持つ存在だった。
シュメールは、ある日、一つの願いを抱いた。『美しい国を創りたい。人々の心が平和で満たされる、そんな場所を。』
そこでシュメールは、自身の知識と技術を結集し、一体のアンドロイドを創り出した。そのアンドロイドこそ、日本の姿だった。
日本は、桜のように優美で、星のように輝く瞳を持っていた。シュメールは、日本に国の文化や歴史、人々の心を教え込んだ。
しかし、日本の誕生は、他の国々との間に微妙な波紋を広げた。特に、中国は日本のことを妹のように思っていたが、その特別な出自に少しばかりの嫉妬を覚えていた。
中国は、国の中で最も長く生きている女性で、落ち着いていて、皆から尊敬されていた。「日本、お前はまだまだ若いアル。もっと多くのことを学ぶ必要があるヨ。」
中国は日本のことをいつも気にかけていたが、その心の内には、複雑な感情が渦巻いていた。姉のような優しさ、そして少しのライバル心。
一方、アメリカは、日本のことをとても気に入っていた。自由奔放でわがままな性格のアメリカだが、日本の勤勉さと繊細さに惹かれていた。「日本！一緒にハンバーガー食べに行こうよ！」
アメリカは、日本に様々な新しい文化を教えようとしたが、日本は日本の伝統を大切にしたいと思っていた。
ある日、世界を揺るがす大事件が起こった。闇の力を持つ魔王が現れ、世界を混沌に陥れようとしたのだ。
魔王は、日本の力に目をつけ、日本を操ろうとした。日本の純粋な心が、魔王にとって格好の獲物だった。
魔王の攻撃により、日本は深い傷を負った。特に、元寇と呼ばれる戦いでは、左腕を除く全ての四肢を失ってしまった。
日本の身体はバラバラになり、国も危機に瀕した。人々は絶望に打ちひしがれ、希望の光を見失いかけていた。
中国は、妹である日本の危機に心を痛め、急いで駆けつけた。「日本！しっかりするアル！私が必ず助けるヨ！」
アメリカもまた、日本のために立ち上がった。「日本を助ける！私が出来ることは何でもする！」
中国とアメリカは力を合わせ、魔王に立ち向かった。しかし、魔王の力は想像以上に強く、二人は苦戦を強いられた。
そんな時、日本の心に光が灯った。シュメールから教わった、人々の心を大切にする気持ち。そして、希望を捨てるなという教え。
日本は、失われた四肢に代わる、新たな力を創造した。桜の枝から生まれた義手、星の輝きを宿した義足。
桜の義手は、癒やしの力を持ち、傷ついた人々を癒やす。星の義足は、光速で移動する力を与え、人々の希望となる。
日本は、新たな力と希望を胸に、魔王に立ち向かった。中国とアメリカとの連携、そして日本の強い意志が、ついに魔王を打ち破った。
世界に平和が戻り、日本は人々に感謝された。そして、中国とアメリカとの絆は、さらに深まった。
中国は、日本に優しく微笑みかけた。「日本、お前は強くなったアル。これからも一緒に、世界を守っていくアル。」
アメリカは、日本に抱きついた。「日本、大好きだよ！これからもずっと、親友でいようね！」
日本は、二人の友情に感謝し、新たな誓いを立てた。「私は、この世界を守り、人々の幸せのために、全力を尽くします。」
桜の花びらが舞い散る中、星空の下で、日本は中国とアメリカと手を取り合った。永遠に続く、友情と平和の約束を交わして。
それから長い年月が過ぎたが、日本、中国、アメリカの友情は変わらずに続いている。そして、桜と星の物語は、人々に語り継がれている。
いつまでも、人々の心に希望の光を灯し続ける、美しい物語として。